一人暮らしのあたまを悩ませる最大のテーマが「自炊」。私も何度も失敗を繰り返し、ようやく自炊を継続できるようになりました。
1.なぜ、自炊は失敗するのか
何度も失敗を重ねるたび、自炊が続かない原因が徐々に見えてきました。
それは次の3点。
(1)毎食、自力で作ろうとする
「朝はパンと目玉焼きを焼く。昼はラーメンに野菜をゆでて乗せる。夜は野菜炒め」
こんな自炊は長続きしません。食事のたびにガスの前に立っていたら、暑いし動けないし、時間だけが過ぎてゆく。
最悪です。
(2)食材が余る
「今日は肉じゃがを作るぞ」と意気込んだが、料理が終わると余った糸こんにゃくやインゲンが冷蔵庫の中で放置。そのまま1カ月が過ぎ、ミイラになってからゴミ箱へ。
食材が無駄になると、自炊しているのに無駄遣いしているような気分になります。
(3)おいしくない
ガスを使った調理では、火加減と加熱時間をコントロールするのが簡単ではありません。ちょっとよそ見している間に焦げちゃったりするけど、もったいないからそのまま食べる。
おいしくないと、やっぱり続かない。
こんな風に、自炊への道には料理の素人だから陥る罠が無数に仕掛けられています。
そこで私はこんな風に発想を転換していきました。
2.自炊には「思考法」がある
私たち一人暮らしの目指すべき自炊の形とは、飲食店のシェフのように完璧な作品を仕上げることではありません。
毎日、なるべく手間をかけずに、栄養バランスの整ったおいしい食事をとること。それが一人暮らしの自炊の在り方です。
一人暮らしの自炊には明確な思考法があります。
この思考法を身に着ければ、とりあえず毎日栄養バランスの整った食事を自力で作って食べることができるようなります。
(1)完璧を目指さないこと
食べるのはどうせ自分です。完璧を目指したところで、誰にも感動を与えられるわけではありません。
開き直って、複雑な調理をあきらめましょう。
複雑な調理とは、
・食材を細かく刻んだり
・いろんな調味料を測って合わせたり
・いろんな食材を合わせたり
することです。
2~3種類の食材を適当に切って「炒めるだけ」「蒸すだけ」「煮るだけ」「ゆでるだけ」のように、シンプルな調理で完結する料理を目指すべきなのです。
(2)馴染みの食材だけを使うこと
一人暮らしの自炊では、ちょっと色気を出して料理を覚えていこうとしてしまいがちです。
私も一時期、DELISH KITCHINというアプリで調理動画を見ながら、自炊に挑んでいたことがあります。
ですが、その努力はほとんど報われません。
なぜなら、私の料理を食べるのは私だけだから。
妻や子、友人へ食べさせる料理であれば、時間をかけて、いろんな食材をふんだんに使って調理する甲斐があります。
しかし自分一人の食事のために、なぜ毎晩時間を割いて台所に立たなければいけないのか。
しまいには、冷蔵庫に使わずに残った食材たち。これはいったいどうすればいいの……?
馴染みの食材を使いましょう。レシピ本やレシピアプリも面白いですが、毎日の自炊には適しません。
まず、スーパーに行ってゆっくり野菜コーナーを眺めることから始めてみてください。
にんじん、たまねぎ、長ネギ、大根、キャベツ、レタス、しめじ…など、ふだんからよく目にしてきた食材が並んでいるはずです。
逆に、パセリ、セロリ、大葉……など、普段はあまり食べない野菜も並んでいますね。
普段あまり食べないということは、料理のレパートリーとして少ないから、使いまわしにくい食材だということです。
一人暮らしの自炊では、そういう食材をなるべく避けましょう。
冷蔵庫の中でミイラになるような食材は、初めから買わないということを心に決めましょう。
(3)便利な加工食品を活用すること
毎日の自炊で気をつけたいのが「野菜」と「たんぱく質」。
まず「野菜」。一人暮らしでは、野菜が不足しがちです。積極的な摂取を心がけましょう。
一番簡単なのは、スーパーの冷凍庫においてある「洋風野菜ミックス」を活用することです。
レンジで2分30秒温めるだけで、ブロッコリー・カリフラワー・にんじんの温野菜サラダが出来上がります。
この洋風野菜ミックス、めちゃくちゃ活用できます。
味噌汁の具にしてもいい。スープの具にしてもいい。シチューの具にもなる。コスパ最高の加工野菜です。
「たんぱく質」は、すでにいろんな加工食品が出回っています。
・納豆
・冷奴
・サバの缶詰
・冷凍の味付き魚
・冷凍ハンバーグ
・冷凍シューマイ
などなど。主菜となるたんぱく質は、意外と簡単に手に入ります。
ぜひ、スーパーで確認してください。
コンビニ食より種類豊富ですし、安上がりなのでとてもおすすめです。
(4)調理家電を活用すること
特にコンロが一つしかなかったり、台所が狭すぎて料理どころではないような人は、調理家電の導入を検討してみてください。
電気圧力鍋とヘルシオホットクックがおすすめです。
電気圧力鍋は、様々なメーカーから安価(1万円以内)で販売されています。電気圧力鍋で作ったカレーは、鍋で作ったカレーよりも味が染みていて、ジャガイモもホクホク。感動の仕上がりになります。
ヘルシオホットクックは、安いモデルでも4万円からになる調理家電です。圧力鍋ではないので時短機能はありませんが、料理の種類に応じて火加減と加熱時間を自動で調整してくれる優れもの。コンロで作るよりもはるかに良い仕上がりの料理ができます。
ホットクック最大の魅力は、「鍋に入れてスイッチを入れたら、あとは好きな時間を過ごせる」という点。もうコンロの前に立つ必要はありません。そして、自分で作るよりもうまい。
もうホットクックなしの生活なんて考えられないよ……
3.大事なことは「続ける自炊」
さあ、まずはスーパーに行ってみてください。そして、棚をよく見てみましょう。
自分の知らない食材に手を出してはいけません。
冷凍野菜や、缶詰、冷奴や納豆は調理なしで食べられる優れものです。
冷凍ハンバーグや冷凍の味付け魚なども、お湯で温めたらすぐに食べられます。
少し時間があるなら、鍋を出して味噌汁やスープを作ってみましょう。
余った食材を何でも入れて作れます。
お金に余裕がある方は、電気圧力鍋やヘルシオホットクックを導入してみてください。
台所に立つ時間は半分以下に激減。もうコンロの前で火を見張る必要はありませんよ!
大事なことは、「続ける自炊」です。
料理の時間がとれない日は、加工食品に頼りましょう。加工食品を並べただけの食卓も、立派な自炊といえます。
コンビニ食や総菜をやめて、健康的な自炊ライフを始めてみませんか。